2009年9月21日月曜日

Little Essay 057「懐かしい話 」





初めて女性とデートをしたのは

中学3年の時だった…


ある受験専門学校に通っていたボクは

同クラスの女の子から

生まれて初めてのラブレターをもらった


当然初めての経験なので

きちんと返事を書いたのだが

その時からボクと彼女は

授業を3回に1回さぼる事になる



初めてのデートは神宮だった

イチョウ並木に

いつも秋になると

TBSラジオ主催のイベントで

祭りが開催させれ 出店が並んでいた


あまりお金を持っていなかったから

アイスクリームをかじる位が

精一杯だったんだ…

でも そんな事よりも

一緒にいられる時間が何よりも楽しかった


でも授業をさぼり 

何度かのデートの頃

専門学校からお互いの親に連絡が入ってしまう

当然受験ゼミだったから

ボクと彼女は

<手紙>と言う手段でしか

会えなくなってしまったんだ


その後 百通近く手紙の交換をしていたが

会えないと言うのは 

何かを確認し辛くなること…

いつしか手紙の数が

めっきり少なくなってしまった




ボクも彼女も希望高校に入学出来たが

その頃お互い最後の手紙を考えていた



彼女の最後の手紙は

「どうもありがとう」だった


そしてボクの最後の手紙は

<イチョウの押し花>にした…



Little Essay by Yssutomo Honna




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