ついさっき Kiosk で買ってきた使い捨てライターは
火の出方がとても悪かった
気づいた時に 既にボクは
北国行きの列車 扉の閉まる数十秒前
冷えきった車内の中だった
ライターを手で覆いながら
必死でタバコに火をつけようと頑張ってみたのだが
かなり無理があるようだ
ポケットをゴソゴソと捜してみたが
出てきたのはティッシュペーパーと 少しだけの小銭
そしてキミとよく行ったBARのレシートだけだった
しかたなく火のついていないタバコをくわえて
扉の外をしばらく見つめていた
大きく吹い込んだ息は
冷え込んだ車内から
君と過ごした さらに冷え込んだこのマチに
白い煙となって 静かに消えていった…
Little Essay by Yasutomo Honna
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