郵便ポストを覗くと 一枚ハガキが届いていた
遠い昔少しの間だけ付き合った事がある女性からだった
それはお茶の水の「LEMON」と言う画材店と喫茶の
オリジナル絵ハガキだった
「LEMON」の店名は 実際は漢字なのだが
記憶の底をたどってみたが とうとう思い出せなかった
それだけ時間が流れていた…
「あなたとよくお茶を飲んだ<LEMON>の窓辺で
この手紙を書いています
丸の内線をお茶の水で降りて
懐かしいコースを
一人で歩いてみました…
湯島天神 ニコライ堂 あなたが好きだった楽器屋も
ちょっと覗いて見ました
最後にこの店です
画材コーナーにきれいな絵ハガキがあったので
ふっ… と手紙を差し上げたくなりました
ただの気まぐれな手紙です
気になさらないでください」
そう書かれた手紙には 彼女の名前だけで…
住所が見あたらなかった
Little Essay by Yasutomo Honna
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