2009年8月4日火曜日

Little Essay 039「縁日」






君の浴衣姿を初めて見た時

ボクの心臓は

いつもの2倍のスピードで高鳴った…


「縁日にいかない?」

そう簡単に誘ったのはボクだったのだが

こんな誘いに

君は心から応えてくれたんだね


ボクはTシャツでいるのが

とても切なくなったけれど

残念ながら

君を満足させる<縁日に合う服>を

一着も持ってなかったんだ


ゴメンネ



「何か食べる?」

ぎこちなくボクは聞いた


「焼きソバがいいかなぁ~」

君はちょっと照れ加減につぶやいた


「よーし 焼きソバを食べよう!

 で 食べたら

 今度はタコ焼きも食べよう!

 そして 金魚すくいをして 

 最後はわたあめだ!」


ボクはそれらを全部

ゼスチャー入りで説明した



君はクスクス笑いながら

それを聞いていたけれど

突然ボクに寄り添って

そっと腕をつかんできた


そして


「迷子にならないように つかませて

そうポツリと呟いた



Little Essay by Yasutomo Honna



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