室内用の無線電話が鳴った
トゥルル トゥルル…
今頃の時間にかけてくるのは
だいたいあの娘からだ
この約束を守ったような
キチンとしたラブコールがあるおかげで
最近 仕事が終わると
道草をしなくなった…
それまでは毎晩ボクの食事は
アルコール&おつまみ…
そんな世界だった
でも今は
部屋に戻りインスタント食品となっている
どちらも変わりはないか ハハハッ
呼吸を整え
髪の乱れを揃え
一番いい顔で受話器を取る
きっと電話の向こうはあの娘だ…
「あっ!いらっしゃいましたね
いつもお留守なので…
夜分遅くすみません!
今月のガス代なのですが… いつ… 」
しばらくの間
ボクは声をつまらせるしか
方法が見つからなかった…
Little Essay by Yasutomo Honna
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