2009年8月12日水曜日

Little Essay 044「トモダチ」






キミが「NO」と言うのだから

きっとそうなのだろう…


キミが「YES」と頷いたのだから

そう考えるのが 妥当なのだろう…


しかし時を重ねるごとに

お互いの同意がズレてきたことは

何を持って説明することができるのだろうか?


赤いものを青い と言う訳ではない

甘いものを 辛いと言うことでもない

社会常識は お互いいい大人なのだから

それほど通念的にズレてはいないだろう


しかし 何故かお互いの価値観が

少しずつ 少しずつ

距離を持ってきたことは 間違いない


多くの人間が

様々な縛りの中で 確かに生き続けていて

残念ながら その縛りはなかなか解けない


キミが「私はこれが好きよ」と言うなら

きっと君は好きなのだろう


キミが「私はそうは思わないわ」と言うなら

きっとキミ自身は納得がいかないのだろう



目に映るものの判断なら 理解はつくが

感性による価値観は 奥が深すぎる…

年齢を重ね続けて行くと その深さは

やがて溝となり 谷となり 対岸となる



ある日 キミはポツリと言ったね


「嫌いじゃないけど 好きでもない…」と


そしてボクは続けた


「トモダチに戻るか…」


つまり ボクたちは トモダチになった



しかし 普通のトモダチではなくて

決して再び会うことの無い トモダチになった


その後 キミの「YES」に

同じく頷いて「YES」を言ってくれる

素敵なパートナーに キミは出会えたのだろうか?



Little Essay by Yasutomo Honna



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