砂浜に寝ころがって
真夏の太陽を浴びていた
足元3m位に
広く世界につながる海がある
ザザーッ ザッ ザザーッ
風に身をまかせながら
タイミングの狂う波の音を聞いていると
まるで生き物のようにさえ感じられる
目をつむりながら
手探りでクーラーボックスを捜す
日差しがチクチクと肌をさす
クーラーボックスにはキンキンに冷えた
缶ビールがぎっしり詰まっているし
このロケーションには
缶ビール以外の何ものも似合わない
<ブシュッ> プルタップを引き上げる
身を起こし
広い海を眺めながら
冷えた そして 日差しにも負けない活力の
爽やかな液体を喉に流し込む
ほてった皮膚の裏側に
平行してその液体が流れていく
しばし 海と 水平線と 空を見つめ
再び砂浜に寝ころがる
缶ビールを持った手を空に伸ばすと
あれほど強かった日差しの太陽が
チラチラと缶の陰に見えかくれしていた
Little Essay by Yasutomo Honna
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