2009年7月3日金曜日

Little Essay 00012 「パンツ1」









「パンツを二倍もたせる方法知ってる?」
電話の向こうで彼女がケラケラ笑って言った


「えっ?パンツを?洗濯しないでか?」
ボクはふざけて聞き返した


「そう、洗濯しないでね…
 それは… あははっ 裏返してはくの… どう?」

どう?と言われてもピン!とはこなかった




彼女とボクの電話はいつもこんな雰囲気だ…
お互い 異性 と言う事をすっかり忘れている


「でも たまに飲みたいわねぇ…
 最近仕入れた情報ないの?グッ!とくる店とか… 」



彼女とはある仕事で知り合ったが
仕事をする回数を 飲み回数がはるかに越えている

このパンツの話も 実は飲み会の誘いなのだ
でも残念な事に 一度もホテルまではたどり着いていない

「うん 麻布にいい店見つけたけど…
 グッ!とはくるかなぁ?」


「うん いいわ そこで… 住所教えて
 で 時間は一時間後ね…」


彼女はボクが伝えた住所を控えると
「じゃね!」と言って 電話を切ってしまった



毎度の事だけど この関係はテンポが早くていい
ボクは軽くシャワーを浴びて
新しいパンツにはき変えた…



Little Essay by Yasutomo Honna

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