2009年7月14日火曜日

Little Essay 00023 「あるBARの風景」





ボクがグラスを持ち上げた瞬間

キミは席を立った…


当然そうなると思っていたから

ボクはそのままグラスを口に運んだ


グラスの氷がカリンと音をたてて 

ウィスキーを揺らし

少しだけ静かに時が止まった…


キミはしばらくの間

ボクを見つめていたようだが

最後に フッ と笑ったような気がした



足音がグラスの向こう側に

静かに消えて行くのを

ボクは目を閉じながら 

ゆっくりゆっくり聞いていた…



Little Essay by Yasutomo Honna





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