2009年7月19日日曜日

Little Essay 00027 「スパイ」




「ところでいつも聞きたいと思ってたんですが

 あなたの仕事は何なのですか?」


彼女は不思議そうな顔をして聞いてきた…



「そんな事知らなくたっていいじゃないですか

 今が楽しければそれでいいんですからね


ボクはそう言ってビールグラスを持ち上げた



「でも どうしても聞きたいわ 

 誰にも言わないから ねっ オネガイ…」


彼女は目を輝かせて聞いてきた





「じゃ 誰にも言わないでくださいよ

 ふふふ 実は私は <スパイ> なんです…」


「えっ?スパイ?何のスパイなんですか?」


彼女は驚いて聞き返してきた



「それは言えません スパイなのですから


驚いている彼女を横に 

ボクは残っていたビールを飲み干した





Little Essay By Yasutomo Honna






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