君が来ない事はうすうす分かっていた…
でも もしかして…
淡い期待も 2時間という待ち時間が
すべて打ち消してしまった
頼んだコーヒーも2杯目
もみ消した煙草は8本となり
9本目にウエィトレスが
無表情で 灰皿を取り替えていった
中二階のこのカフェテリアから
いつも眺める風景に
地下鉄の出口がある
そして
いつも君はそこから ボクに手を振っていた
遅れて 「ゴ・メ・ン…」
と いつも彼女の唇が大きく動くのが見えた
でも いくら待てども…
今日はいつもの人混みの中に 君の姿はない…
カフェテリアの伝票には いつも
MAN WOMANの両方に
チェックがしてあったのに
今日の伝票は MANだけに寂しくマル
かすかにカップに冷え残った
コーヒーを流し込み
いつか君から誕生日にもらった
ワーゲンのキーホルダーから
車のキーだけを抜き取り
思い出の品を…カップに落した
そして…
きっと もう二度とこの角度からは
見ることのない風景に…
小さく さ・よ・う・な・ら を告げた
Little Essay by Yasutomo Honna
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