2009年7月6日月曜日

Little Essay 00016 「パンツ5」




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長らく続いた パンツ のリトルエッセイ…

この5話をもって終了です…

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ボクが始めて「パンツの彼女」に会ったのは

西麻布の 某雑誌編集社だった



ボクと友人Aは 

その編集社の編集長に会いに行ったのだが

そこに彼女も たまたま打ち合せに来ていた



編集長に彼女を紹介してもらったのだが

彼女から手渡された名刺は

まるでプリントゴッコで作ったような

いや 事実プリントゴッコの手作り名刺だった



肩書には「フリーライター」とあった



その夜…

ボクらと 編集長と 彼女は

青山にあるアールヌーボー調のBARで酒を飲み

そして2件目に

麻布の洒落たパブに流れた


友人Aは終電がなくなる前に帰って行った



終電もなくなり

編集長もタクシーで先に帰ったが

ボクと 彼女は 始発まで飲み明かす事になる



丸ノ内線 赤坂見附の朝まで営業している

何の変哲も無いCAFEを見つけたボクらは

今日の本題の仕事の話と 

名刺交換しかしていなかった 

初対面の自分達を思いだし

冷えたビールで 再度乾杯

初めて真面目に自己紹介をした…



「フリーライターって 何のライターなの?」

ボクはビールを流し込んで聞いた



「うーん 何と言ったらいいのかしら?

 フィットネス・ライターって本当は言うんだけれど

 ねぇ フィットネスって分かる?」

彼女もビールグラスの雫を拭って言った



「いや ほとんど知らないな

 出来れば始発まで説明を聞こうとしよう…」

ボクはおつまみのピーナツを ほおばりながら言った



「フィットネスってね 」

彼女は一気に喋り出し 喉が渇くとビールを飲んだ



パンツの彼女との出会いは そんな風景からだった



あれから数年

彼女の名刺の肩書は

スポーツ・ライターと変わり

プリントゴッコから印刷になった



今頃は 日本中 いや世界中をかけ巡って 

原稿用紙に鉛筆を走らせているに違いない…





Little Essay by Yasutomo Honna


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