2009年7月22日水曜日

Little Essay 00029 「オオカミ」




ある満月の晩のことだった…


「今夜ボクはオオカミになってもいいかい?」

ビールを飲みながらボクは彼女に聞いた…


「ヘェ~!あなたオオカミになれるの?」

彼女はボクの顔を覗き込むように言った


「なれるさ!君さえOKならばね

さらにボクはビールを流し込みながら続けた


「ふ~ん OKもらってから

 オオカミになる男性なんか初めてよ…」

 彼女は笑いながらそう言って

「NO!」と続けた…


「それなら仕方が無いか 

 では今夜は楽しく飲むとするか!」

ボクはわざと明るく言った


「あら 結構押しが弱いオオカミなのね…

 ヘンな人

 でも そんなところが大好きよ

彼女はボクの肩に寄り添ってきた


女心とはわからないものだ…




Little Essay by Yasutomo Honna





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