君がこの部屋を出ていったのは
たぶん2週間位前だったと思う
はっきりは覚えていないが…
そうだ
最後に君が花瓶にさしていた花が
残念ながら元気をなくしたからだ
「この花は2週間も保つのよ!」
と 君はいつも言っていた
何度聞いても覚えられないその花は
小さくて細い茎に
黄色い不思議な花を咲かせていた
「栄養剤がなくて
これだけ保つから経済的ね…」
君はいつもそう言ったけど
1本1000円以上するその花が
ボクには経済的とは思えなかった
そんな小さな会話が
ボク等に亀裂を作った…
あれからたぶん2週間
元気をなくした
名前を覚えられない花を見ていると
不思議にその花が愛らしくなってきた
水を変えてみたが
次の日はもっと元気をなくしていた
ボクはその元気のない花を花瓶から抜き
まるでペットを亡くした時の様に
庭に穴を掘って埋めた
そして
君が通っていただろう花屋を探しに
町に出かけた…
Little Essay by Yasutomo Honna
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